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お知らせ

協会職員が森林生態系多様性基礎調査(NFI)に基づくシカの樹皮剥ぎ分布パターンに関する論文を発表しました

協会職員の瀬戸智大専門技師が、森林生態系多様性基礎調査(NFI)データを用いて、シカの樹皮剥ぎ被害の国内全域にわたる被害状況を明らかにするとともに、大規模スケールによる被害を受けやすい種、受けにくい種を同定し、環境・空間構造の関係を明らかにしました。本論文はJournal of Vertebrate Biology誌に発表されています。


【論文名】Broad-scale patterns of bark-stripping damage by sika deer (Cervus nippon): analysis of species selectivity and spatial structure using nationwide NFI data
【論文名和訳】ニホンジカ(Cervus nippon)による樹皮剥ぎ被害の大規模な分布パターン:森林生態系多様性基礎調査(NFI)データを用いた種選択性と空間構造の分析
【著者】Tomohiro Seto (瀬戸 智大)
【雑誌名・巻号】Journal of Vertebrate Biology VOL. 75  NO. 26073. 1-13
【発行日】2026/09/10
【論文url】DOI:https://doi.org/10.25225/jvb.26073

【抄録(和訳)】
ニホンジカ(Cervus nippon)による樹皮剥ぎは日本の森林に深刻な影響を及ぼしうる。しかし、先行研究で明らかにされた関係が、日本の幅広い環境条件にわたって一般化できるかは明らかでない。本研究では、全国森林資源調査の5,624プロットのデータを用い、255樹種の被害の受けやすさ、樹木サイズとの関係、環境要因との関連、環境要因を考慮した後に残る空間構造、およびシカの推定生息密度との対応を評価した。
アオダモとリョウブは樹皮剥ぎを受けやすく、一方、コナラとヒサカキは被害を受けにくい樹種に含まれた。被害確率と樹木サイズの関係は非線形で、胸高直径約11.54 cmで被害確率が最大となった。地点レベルの被害圧は、最大積雪深が大きく、年平均気温が高い地域ほど一貫して低かった。一方、道路からの距離との正の関連は、それほど頑健ではなかった。
BYM2モデルの混合パラメータは高い値を示し、測定した環境要因を考慮した後も、残差のランダム効果の変動の大部分に空間構造があることが示された。推定された被害圧は、公的なシカ生息密度の推定値と弱い正の相関を示した。このことは、本研究の被害圧指標が、シカによる累積的な影響の一側面を捉えている可能性を示唆する。以上の結果から、標準化された森林資源調査データは、先行研究の知見の一般性を検証するとともに、森林に対するシカの影響の広域的な違いを評価するための補足情報を提供できることが示された。
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