一年中汗をかいて走り回る小林さん
一年中汗をかいて走り回る小林さん

楽しい授業ばかりが詰まった
「楽校」を作りたいのです

NPO法人きらり水源村事務局長
小林和彦さん

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埼玉県出身の小林さんが水源村と出会うまでには、長い物語がある。その物語のすべてが、現在の活動につながっている。

「高校生の時、本当の幸せって何だろうと考えました。そして、『その後の桃太郎』という劇を作りました」

鬼ヶ島から持ち帰った宝を村の人々に分け与えると、村人はすっかり怠け者になってしまう。これではいけないと、桃太郎は宝物を返しに行く。すると宝を失って額に汗して働くようになった鬼たちは、低血圧や高血圧で青や赤だった顔色も良くなり、楽しく暮らしていた。桃太郎はそれを見て「本当の幸せってなんだろう?」と考え、旅に出る。この桃太郎は、小林さんだ。

「大学生の頃に阪神淡路大震災や日本海沖の重油流出事故などがあり、お金を稼ぐ以外にも幸せはありそうだと、NICE(日本国際ワークキャンプセンター)の設立に関わり、ずっと事務局の仕事をしていました」

海外からボランティアを受け入れて日本の農山漁村で活動をしたり、子どもたちのキャンプ活動を手伝ったり。しかし運営が軌道に乗り、活動が順調になるにつれて、事務局の仕事は煩雑で定型的になっていく。

「これは幸せじゃない、と6年半務めた事務局長を辞めて、2年近く世界中を放浪しました」

韓国からフェリーで福岡へ戻り、ついでに知人に会おうと出向いた菊池市で、菊池東中学校に出会う。

「あ、ここ、いいな。と思いました。中学生の頃、授業がつまらなくてね(笑)。いつか、面白い授業ばっかりやる中学校を作る、というのが密かな夢だったんですよ」

こんな素敵な校舎があって、そこが地元の交流館になるという。しかも、その運営を行うNPOの職員も募集している。迷うことなく手を挙げ、以来、『楽校』づくりに頭と体をフル回転させている。

多くの人を巻き込んで多彩な活動が行われる

多くの人を巻き込んで多彩な活動が行われる

「小中学生が生徒で、高校生や大学生がインストラクターのお兄さん役で、地元のじっちゃん、ばっちゃんが先生。田舎のお年寄りの話は本当に面白いし、彼らが持っている知恵や技術はすごい。そういうものを次の世代に伝えていくことが僕の仕事だし、そんな楽校があるべきだと思うのです」

よそ者としてやってきて地域にとけ込むまでには、いくつかの壁があった。今では小林さんのいない交流館など、地元のだれも想像できないだろう。

「いや、もしも地元の若者が育って『自分がやりたい』と言えば、いつだって喜んで身を引きますよ。そんな人材育成こそが、僕らの幸せですから」

その日まで、小林さんの汗は止まらない。

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