NPO法人白神自然学校 事務長  佐藤 久範

NPO法人 ECOPLUS 理事・事務局長
大前 純一さん

地域で学ぶことほど
面白いことはない

NPO法人 ECOPLUS 理事・事務局長
大前 純一さん(53)

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活動を始めたきっかけはミクロネシア連邦のヤップ島を新聞記者として取材したことだった。

「そこ(ヤップ島)は日本の農村と同じ問題を抱えていた。孤立した経済で、グローバル化の波に洗われて、せっかくの伝統や文化が失われつつあった。どんどん崩れているのを目の当たりにして『もったいないなあ』と思った。いまでいえば持続可能性、経済追求でない枠組みが必要ではないのか。地域が発展するということは、そこにビジネスがあればいいということではない。それはいずれ破綻する。そうでない枠組みを見つけたかった」

ボランティアで手伝っていた体験活動に、本気で取り組むために25年勤めた新聞社を辞めた。ECOPLUSは、1992年に発足した自然体験を柱にするエコクラブと、1994年に始まった環境教育のネットワークづくりに取り組むワールドスクールが、2003年に合流して法人格を得た。冒険家の高野代表と同じく、活動を通して感じたのは、地域の持つパワーの大きさだった。

「1992年から栃窪集落で自然体験などを始めて、土地の人の力強さに圧倒された。持続可能性という言葉も、地球温暖化もそれほど関心が高くなかったころ、自然環境と調和した生き方があった。グローバリズムの対極にある生き方だ」

栃窪集落の人と自然に学ぶ「やまとくらしの学校」は単なる農業体験ではない。大前さん自身も土地の古老に知恵と知識をもらい、子どもたちにも教えられるし、都会からの参加者からも学んでいる。

「競争原理では、スターバックスに小さな喫茶店が追いやられるように、最後はより大きい競争力に負けてしまう。エコノミーという土俵に乗ってしまっては駄目だ。イロハ田んぼでは、2反で、通常なら15俵とれるところを収穫は9俵だった。活動を振り返るシンポジウムでは、この(失った)6俵はどうするんだという議論があった。これに対して、収量以外のものの価値をみればいいじゃないかという意見が出た。雑草にも価値を見つけるという視点だ」

都会からの参加者が面白がったり、知恵を得たりするだけではない。過疎、高齢化する地域を元気にする目的もある。

「栃窪だけでなく、同じ市内の清水、後山など魅力ある自然を生かしたい。そしてこういうネットワークを広げたい。(NPO法人は)でしゃばらず、地域活性化にできることで応援したい」

気負っているわけではない。「地域で学ぶことが面白いとなれば(田舎は)いま買い時。ストーブ用の木材はトラック1杯分だって買える。木を割っているといろんなことが分かる。こんな楽しい事はない」。出身は兵庫県。祖父母の家の周囲に田んぼもあったから米づくりを知らないわけではないが、「この歳で初めて米づくりをして、出来た米を親に送りました」。

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